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ホーム全日病ニュース(2023年)第1045回/2023年12月1日号医療における総合的質経営(TQM)展開の勧め

医療における総合的質経営(TQM)展開の勧め

続報・全日本病院学会 in 広島
医療における総合的質経営(TQM)展開の勧め

【医療の質向上委員会企画】医療のTQM 七つ道具を活用しよう

 今回、当委員会では「医療における総合的質経営(TQM)展開の勧め 医療のTQM 七つ道具を活用しよう」と題して、パネルディスカッション形式による講演を行った。
 まず座長兼講師である飯田修平委員により、表題に関するこれまでの全日病としての取り組みについて、そして医療の質向上の取り組みの重要性について説明を行った。部門横断的に継続して医療の質向上に取り組んでいくことが医療の安全を担保していくことになること、病院としてトップが号令し病院全体で質向上に取り組んでいくことの重要性が強調された。
 つぎに永井庸次委員より、TQM 七つ道具の開発の経緯、七つ道具とは何かについて紹介があった。七つといってもこれは慣用的な語句であり、実際に現在特性要因図を加えて8つのツールが医療の質経営に有用とされる。それぞれのツールが適用される場面とそれぞれの相関についても説明された。
 次いで小谷野圭子委員が業務フロー図・特性要因図について、長谷川友紀特別委員がRCA(根本原因分析)・FMEA(故障モード影響解析)について説明した。いずれも広く用いられる代表的なツールであるが、正しく理解し実践するには相当の習熟が必要であり、今回の時間では説明を尽くすことは不可能である。今回は紹介にとどめ、受講生に興味を持って頂くことを主眼においた。
 最後に講師が再登壇し総合討論を行った。その中で、小谷野委員から「すべての基盤となるものは業務フロー図であり、これを作成することは大変な労力が必要とされるが、一方でその効用として、多職種に亘ることが多い病院業務においては業務フロー作成によって職種間の垣根を払い、お互いの職種における業務を再認識することにも役立つと思われる」との発言があった。
 当委員会として、各医療機関に於かれては医療のTQM 七つ道具の代表的ツールであるこれらの手法を目的に応じて正しく使い分け、是非とも総合的な医療の質向上につなげて頂きたいと願っている。飯田委員はじめ多くの委員によってこれまで出版されてきた成書についてもご紹介させていただいた。受講された方々の更なる理解の一助となれば幸いである。

 

全日病ニュース2023年12月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 平成25年度厚生労働省多職種協働によるチーム医療推進事業

    https://www.ajha.or.jp/seminar/other/pdf/131223_2.pdf

    2013/12/20 ... 今回の講師が日本品質管理学会の. “医療経営の総合的質研究会”で作成した「医療の TQM 七つ道具」を用いて具体的事例で研 ... ③ FMEA. (故障モード影響 ...

  • [2] Untitled

    https://www.ajha.or.jp/seminar/other/pdf/120316_2.pdf

    ... TQM七つ道具」の開発に取. り組んでいましたが, 今回、その出版に至ることが出来 ... FMEA. 5. RCA. 6.QFD. 練馬総合病院 院長. ひたちなか総合病院 院長. 練馬総合病院 院長.

  • [3] 報告/2013年度厚労省多職種協働によるチーム医療推進事業「職種 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20131101/news11.html

    2013/11/01 ... 医療の質向上委員会とTQMを実践している会員病院が中心となり、研修を企画、プログラムを開発・試行し、推進人材の育成を図る。 チーム医療に必須の知識で ...

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