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ホーム全日病ニュース(2023年)第1045回/2023年12月1日号病院事務長研修及び看護部門長研修の成果

病院事務長研修及び看護部門長研修の成果

続報・全日本病院学会 in 広島
病院事務長研修及び看護部門長研修の成果

【医療従事者委員会企画】代表演題の発表

 医療従事者委員会では事務長研修、看護部門長研修を行っている。従来は集合研修の形であったが2020年度は新型コロナ感染症蔓延のため中止となり、2021年度は全面WEB 形式、2022年度からは集合とWEBを併用するハイブリッド形式で再開している。2023年度はそれぞれ延17日、9日の研修を行い各人の病院の経営改善をテーマにディスカッションし最終日には研修のまとめとなる共通課題の解決方法をグループごとに集約して発表をしてもらう。
 せっかく計画を立てて実行したのだから、それがどのようにうまくいったのか、あるいはうまくいかなかったのか、うまくいかなかったのであれば、その原因は何か皆で議論しようということでフォローアップ研修会が行われている。
 フォローアップ研修では事務、看護でそれぞれほぼ全グループに発表をしてもらうが、事務、看護が混じって発表し、お互いに議論をするという形で開催する。共通する論点もあれば、職種特有の問題もあるが、違う立場でみることで反ってお互いの理解が深まるということで好評であった。
 2022年度の研修受講者のうちフォローアップ研修で発表してもらった演題の中から、さらに代表演題ということでそれぞれ2演題ずつを発表してもらった。
 当日は萩原正英氏((一社)経営支援機構 代表理事)のコメントをいただきながら活発な質疑応答が行われた。それぞれの部門の代表発表4グループからのコメントを記して、当企画の総括としたい。

【代表発表4グループの感想】
社会医療法人敬愛会なかがみ西病院 事務部長 岡本健太
 Aグループとして取り組んだテーマは「訪問医療虎の巻」です。
 訪問医療=在宅医療ですが、『患者宅への訪問』を強く意識していただくために、あえて『訪問医療』とさせて頂きました。特にコロナ禍で、よりフォーカスがあたり、かつ地域包括ケアシステムの構築において欠かせない要素でもある訪問医療をテーマに採り上げることで実際の事業計画に反映させる可能性を見い出しました。
 当院では、新設病院(地域包括ケア病院)の開院が12月に迫っており、この機会に訪問診療に焦点を当てることを決定しました。さらに、機能強化型在宅療養支援病院の数は市町村でみても80%がゼロの状態で、二次医療圏でみても37%がゼロという状況です。これはまだまだニーズに対応していないことを示しており、この分析と研修を通じて実践することは大きな成果と考えています。
 この取り組みは学会発表を目的としたものではなく、事務長研修で得た知識を今後どのように活かし続けるかに焦点を当てています。事務長研修を終えた後も、『期』を超えた交流があることで、より一層進化できると考えています。多くの経験やスキル、そして素晴らしい人脈を得る機会を提供いただき、本当にありがとうございます。

医療法人社団永生会介護老人保健施設イマジン 多良淳二
 今回事務長研修に参加し、これまで経営や運営に必要な要素を系統だてて考える事に不慣れであった所から、講師の先生や他受講者の話を聞く事で、必要な事を考える力と考え続ける力を得る事ができました。今回の『病院広報』についてもグループの皆さんから様々な意見や工夫、考え方などを学ぶ事ができ、とても刺激になりました。全日本病院学会での発表という貴重な経験も含め、今後も研修での成果を自院の改革に活かしたいと思います。

社会医療法人大雄会大雄会第一病院 看護部長 清水輝子
 第17回看護部門長研修は、講義はWEB 形式、最終の課題検討とプレゼンは同期受講者と直接対面で行われました。最終プレゼンでは、共に学んだ仲間の素晴らしいプレゼンテーションに感動し、課題への意欲とあるべき姿に向かう熱意を感じ、学びの多い研修でした。
 今回、私はCグループで外来待ち時間の改善に取り組みました。外来待ち時間は至るところで発生し、患者にとって不満となり、中長期的に患者数の減少につながるなど大きな課題です。その問題を、それぞれの病院の特徴を押さえ対策を立て、取り組みを行い改善へと繋げることができました。取り組みの中で、スタッフが待ち時間を意識し、気配りや声掛けができるようになるなど相乗効果もありました。この機会を活かし選ばれる病院になるよう、学びを活かし取り組み続けたいと思います。
 この度は、学会発表に臨むこととなり、ご指導いただきました萩原先生をはじめ諸先生方には、貴重な指導と機会を賜り誠にありがとうございました。

社会医療法人博愛会開西病院 看護部長 遠藤美保子
 コロナ禍で、対面は報告会の2日間だけでしたが、研修以外でもオンラインで繋がり「同じ課題で繋がる仲間」という絆が深まりました。
 今研修は、看護部門長として課題解決方法から現場でどう活かすのかを理解する事と考え、取り組みました。研修では4次元問題設定シートや原因体系化シートの活用で、課題分析と計画立案の方法を学びました。その過程で、課題解決の為には看護の力だけでは難しく、事務部門との協力が重要であり、今後ありたい姿への取り組みを実現する為には、常に現状を分析し柔軟に対応していく事も大切である事をつかみ取ることが出来ました。
 この度は、学会発表に際し井上先生をはじめ諸先生方に、多くの気づきとヒントを頂きました。貴重な指導を賜りました事誠に感謝申し上げます。

 

全日病ニュース2023年12月1日号 HTML版

 

 

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