全日病ニュース
事務管理領域を中心に初回訪問支援を実施
事務管理領域を中心に初回訪問支援を実施
【2022年度病院機能評価受審支援事業③】病院機能評価委員会委員 事務担当サーベイヤー 朝見浩一
病院機能評価受審支援事業は、全日本病院協会の多くを占める中小病院に対して、受審準備から約1年を通じて支援する取り組みである。診療・看護・事務担当の各サーベイヤーが受審支援チームを組み、モデル病院へアドバイスを行う。より多くの会員病院の機能評価受審に向けたハードルを下げ、受審病院が増えた結果として、医療の質向上に寄与することが目的となる。
今年度のモデル病院として、札幌優翔館病院(一般86床・医療療養48床計134床)が選定されている。「より質の高い医療を提供したい」といった応募動機のもと、病院機能評価受審の認定取得に向けて、自ら改善に向けて取り組むとした、強い意志を示されており、8月23日に病院機能評価受審支援相談として初回訪問し、事務管理領域を中心にアドバイスを行っている。
今回は、モデル病院への初回訪問となることから、支援相談におけるプログラムを作成し、オリエンテーション、病院機能評価の概要説明、事務管理領域を中心とした評価項目の解説、そのほか、実際の面接調査を想定した合同面接ロールプレイング、最後に、今後の準備の進め方や、意見交換、質疑応答を実施した。
病院機能評価の概要説明では、モデル病院の本審査予定が来年6月となることから、次期病院機能評価となる機能種別版評価項目(3rdG:Ver.3.0、以下V3.0)【2022年4月1日版】で公開されている内容を踏まえて資料を作成し、説明を実施している。
次に、事務管理領域のポイントについては、V3.0で評価項目が一部変更となる項目や、評価結果としてB 評価の出現率が多い事務管理領域の評価項目を15項目選定し、サーベイヤーの視点から、ワンポイントアドバイスを付け加えて解説を実施した。
その後には、合同面接ロールプレイングとして、事務管理領域の評価項目:4.1.1・4.1.2・1.5.1の3 項目について、実際の面接調査場面を想定した形で実施している。サーベイヤー側から質問をして、病院側からは回答をしてもらい、回答内容を踏まえ解説を付け加えるといった手法である。最後には、質疑応答を含め意見交換を実施し、今後の進め方についてなどアドバイスを行っている。
今回の病院訪問支援では、事務管理領域を中心とした相談支援であったが、事務部門だけではなく医療技術部門の管理職の方々も参加され、真剣に取り組まれている姿が印象的であった。質疑応答の中で、いくつかのポイントについて解説をしているが、新たな気づきや発見もあったといった話があり、他の病院の取り組みについても、参考として情報提供をしている。
今後は、診療および看護の担当サーベイヤーが病院を訪問し支援することとしている。病院機能評価は、医療の質改善のための手段であり、目的ではない。当該病院の応募動機でもある「より質の高い医療を提供したい」が達成できるよう、当事者意識を持ち、全職員が一丸となり、引き続き受審準備されることを期待したい。
全日病ニュース2022年11月1日号 HTML版
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