全日病ニュース
地域医療構想の実現に向けた課題と病院の役割
地域医療構想の実現に向けた課題と病院の役割
【学会企画シンポジウム1】回復期の医療をどう担うか
学会企画の地域医療構想調整会議をテーマとしたシンポジウムでは、地域医療構想を実現する取組みが本格化する中で、構想の意義を問う幅広い議論が行われた。
厚生労働省の松岡輝昌・医政局医師確保等地域医療対策室長は、構想の実現に向け、構想区域ごとに調整会議で協議を行っても機能分化・連携が進まない場合は、医療法で定めた都道府県知事の権限が用いられる可能性を示唆した。医療機関の病床転換・削減に関わる具体的な協議には至っていない構想区域も少なくなく、「活性化策が必要な状況」とした。
活性化策としては、①都道府県単位の調整会議の開催②研修会の開催③地域医療構想アドバイザーの選出─をあげた。アドバイザーは、「地域の実情にくわしく、医療機能の分化・連携などのデータを読み解ける人」を、都道府県に推薦してもらっている。
5月21日の経済財政諮問会議で安倍首相は、「厚生労働大臣に今年秋を目途に、構想の全国の対応方針の策定状況を中間報告してもらう」と述べている。松岡室長は、「調整会議の協議がより進むよう、みなさんに智恵を借りたい」と述べた。
構想と診療報酬との関係を指摘
全日病の猪口正孝常任理事は、構想が目指す医療機能の分化・連携の姿を概観した上で、「協議が進まなければどうなるのかというと、結局、なるようにしかならない」と述べた。
その理由として、診療報酬改定が構想に「寄り添い」、構想が目指す方向性で改定が行われれば、「報酬面で追い込まれるため」と説明した。2018年度改定を振り返り、患者の状態と投入される医療資源が見合うよう報酬改定が行われるなど、実際にその方向性で改定が行われたことを示した。
産業医科大学の松田晋哉教授は、構想を「各医療機関が自らの機能をデータに基づき客観的に把握し、自院の将来像を描くことに尽きる」と述べた。データで示される今後の地域医療の姿は、地域差を前提した上で、「高齢化で外来も入院も減る。地域の大病院も空き病床が出始めた。典型的な急性期が減っている。慢性心不全、脳血管障害、肺炎、骨折だけは、高齢化で増えている」と説明した。
一方で、2025年の必要病床数は、機能分化・連携をしなければ、現行の135万床から152万床に増える。その理由は「医療区分1相当の高齢患者が増える」ためだ。この慢性期の需要は、療養病床、在宅、介護施設で配分する必要がある。配分割合は地域の医療資源で変わることも松田教授は示した。
民間の中小病院が果たす回復期機能への期待も強調した。地域包括ケアを支える要として、介護サービスとの緊密な連携や在宅医療を担える診療所が少なければ、中小病院が自ら在宅医療を提供することも必要であるとした。
全日病ニュース2018年11月1日号 HTML版
[1] 全日病ニュース・紙面PDF(2014年7月15日号)
https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2014/140715.pdf
く大病院を受診する患者の自己負担額を引き上げる方法として複数案を提示。部会は、.
少なくとも .... 化対策推進室を同課に移管した。医療 ... 国保の都道府県運営で国と地方
の協議進まず。保険料 .... ②医療関連産業の活性化により、必要な世界最先端. の医療
等が ..... 講師に産業医科大学医学部松田晋哉教授、社会医療法人緑壮会金田病院.[2] 2018年度診療報酬改定が意味するもの
https://www.ajha.or.jp/voice/topnews/backnumber/pdf/2018/180601.pdf
2018年6月1日 ... 議の活性化策を提案し、概ね了承され. た。構想区域(2次医療圏)単位で設 ... 厚労省
は、都道府県が地域の実情に. 合った論点提示などを行うには、事務 ..... 医師会副会長
、松田晋哉・産業医科大. 学医学部教授、立谷清秀・相馬市長(全.[3] 全日病ニュース・紙面PDF(2014年10月01日号)
https://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2014/141001.pdf
2018年7月4日 ... た地域活性化策や少子化対策を検証す. る一方、「基本政策検討チーム」の手 .... 交付
金は、法第4条第1項の規定により都道府県が. 作成した計画に定める事業を支援 .... 田
晋哉産業医科大学医学部教授が、. 「(専門調査会で)あるべき提供 ...
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