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ホーム全日病ニュース(2018年)第928回/2018年11月1日号医学部入試の地域枠を別枠方式に限定...

医学部入試の地域枠を別枠方式に限定

医学部入試の地域枠を別枠方式に限定

【厚労省・医師需給分科会】地元出身者枠の設定も

 厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会(片峰茂座長)は10月24日、医師不足地域での診療義務を課す大学医学部の地域枠に関し、選抜は別枠方式で行うことを大学に要請することで一致した。地域枠の義務を全うする人数が設定枠の7割と推定され、地域枠を厳格化する。
 地域枠には、選抜の段階で、一般枠と募集定員を分ける「別枠方式」と、一般枠と共通で選抜し、事前または事後に地域枠を募集する「手上げ方式」がある。「手上げ方式」だと、奨学金の貸与実績が6割、地域枠の義務が履行されない離脱が18%とのデータもある。最終的に地域枠の義務を全うする医師は、設定枠の7割程度と推定された。
 地域枠は、医師不足地域で診療に従事する医師が増えることを期待して、設けている。ところが、名称は「地域枠」でも「地域枠」とは言えない実態があることに、委員から厳しい意見が相次いだ。厚労省は、都道府県知事に対し、特定の地域で診療する義務のある地域枠の設定にあたっては、別枠方式とすることを実質義務化することを提案し、委員から了承を得た。
 厚労省は、診療領域についても一定の制限を課すことを地域枠選抜の際に明示することを求めた。これに関し、全日病副会長の神野正博委員は、地域枠の医師のキャリア形成を「都道府県や地域医療支援センターが支援する仕組みの構築が必要になる」と指摘した。厚労省は、別枠方式の限定を2020年度から実施したい考えだ。
 地域枠の医師は、医師偏在指標で判断した医師少数区域で診療に従事することが期待される。あわせて、医師少数都道府県には、地元出身者枠を医学部に設けることを要請できるようにする。地域枠・地元出身者枠を含め、都道府県が策定する医師確保計画を中心に、様々な医師偏在対策を現在検討している。それにより、2036年には、医師少数区域がなくなることを目指す。

 

全日病ニュース2018年11月1日号 HTML版

 

 

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