全日病ニュース
医師偏在対策で参考人からヒアリングを実施
医師偏在対策で参考人からヒアリングを実施
【厚労省・医師需給分科会】
医師不足地域における勤務を保険医登録の条件に
厚生労働省の「医療従事者の需給に関する検討会・医師需給分科会」(座長=片峰茂・長崎大学学長)は10月6日、医師偏在対策について参考人からヒアリングを行った。
ヒアリングしたのは、◇日本専門医機構の吉村博邦理事長◇地域医療機能推進機構(JCHO)の尾身茂理事長◇徳島県保健福祉部の鎌村好孝次長の3人。
このうちJCHO の尾身理事長は、保険医登録の仕組みを変えて、一定期間、医師不足地域における勤務を条件とすることを提案した。
日本専門医機構の吉村理事長は、新たな執行部による同機構の取組み状況を報告し、2018年度から新専門医制度を開始するに当たって、医師の地域偏在を抑制する方策を示した。吉村理事長は①大都市圏の専攻医の募集定員を採用実績の1.1 〜1.2倍以下に設定する②産婦人科領域などでは大都市圏の専攻医を地方に一定期間ローテイトさせる③明らかな専攻医の偏在が生じた場合には年次ごとに都市圏の募集定員を調整する④連携医療機関でも専攻医の採用を可能とすることを説明した。
JCHO の尾身理事長が提案
JCHO の尾身理事長は、医師の偏在対策として、保険医登録の仕組みを変えることを提案。保険医や保険医療機関の責任者になる条件として、一定期間、医師不足地域で勤務することを求めた。尾身理事長は「医療が保険料や税金で成り立っていることを考えれば、プロフェッショナルフリーダムを尊重すると同時に地域や社会ニーズにも応えなければならない」と指摘した。
また、専門医制度における診療科別の研修枠について、将来の人口動態や疾病構造の変化を考慮した上で、「都道府県・2次医療圏ごとに一定の幅をもって各診療科別の専攻医研修枠を設定することが重要」と述べた。
尾身氏の提案に賛成する意見が多かったが、「地方勤務の強制は今の時代にあわない」など反対意見もあった。
徳島県の鎌村次長は、徳島県の医師確保対策と地域医療支援センターの取組みを報告した。徳島県は、人口10万人当たりの医師数が全国3位だが、医師の高齢化が進み、へき地では医師確保が困難な状態となっている。このため徳島県は、2009年度から徳島大学医学部の地域枠と連携し、修学資金を貸与しているほか、2011年から徳島大学病院に地域医療支援センターを事業委託し、医師確保対策に努めている。支援センターの設置後、県内で初期研修や専門研修を行う医師が増加している。
このほか厚労省から、「新たな医療の在り方を踏まえた医師・看護師等の働き方ビジョン検討会」の設置について報告があったが、構成員から分科会で検討すべき事項について別の検討会を設置することに対し異論が出された。
全日病ニュース2016年11月1日号 HTML版
[1] 新専門医制度は2018年度から一斉にスタート|第876回/2016年8月1 ...
http://www.ajha.or.jp/news/pickup/20160801/news01.html
2016年8月1日 ... 日本専門医機構(吉村博邦理事長)は7月20日に理事会を開き、当初予定していた
2017年度からの新専門医制度の実施を1年 ... は、19の基本診療領域の学会が参加
する基本診療領域連絡協議会を開き、各学会の考える地域医療への配慮について
ヒアリングを行った。 ... 検討委員会には、学会推薦の理事は参加せず、公衆衛生の
専門家として、地域医療機能推進機構(JCHO)の尾身茂理事長が加わっている。[2] 全日病ニュース・紙面PDF(2016年8月1日号)
http://www.ajha.or.jp/news/backnumber/pdf/2016/160801.pdf
2016年8月31日 ... についてヒアリングを行った。引き続 ... 進機構(JCHO)の尾身茂理事長が加わ. って
いる。 ... 吉村理事長)。 最も問題とされたのは、初期臨床研. 修を終えた 8,000~
9,000人の医師に対. し、新制度における研修医である「専. 攻医」の募集枠 ...
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