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薬剤耐性(AMR)の理解促進へ国民啓発会議が初会合

薬剤耐性(AMR)の理解促進へ国民啓発会議が初会合

 政府は11月1日、薬剤耐性(AMR)対策国民啓発会議の初会合を開催した。
 薬剤耐性への国民の理解・知識を促進して、薬剤耐性の脅威に対する国民運動を展開するとともに、行政と民間団体が一体となった取組みを推進するために同会議を設置。議長には、元宇宙飛行士で日本科学未来館の毛利衛館長を選んだ。
 薬剤耐性は、細菌が抗菌薬に対して抵抗力を持つように変化し、抗菌薬が効かなくなったり、効きにくくなること。薬剤耐性の拡大の原因として、抗菌薬の不適切な使用が指摘されている。塩崎恭久厚生労働大臣は挨拶で、「抗菌薬に対する薬剤耐性は、これまで全体的に認識されていなかった。昨年のWHO 総会で、薬剤耐性に対するグローバル行動計画を採択し、日本でも、4月に国内対策のアクションプランをまとめた。やらなければならないことはたくさんある」と述べた。
 この日の啓発会議では、関係行政機関や団体が薬剤耐性対策の取組みを報告し、国民への啓発活動を進めることを確認した。4月のアクションプランでは、政府広報やテレビ・新聞のメディアを通じて国民運動として、薬剤耐性の脅威について普及・啓発活動を展開。毎年11月を「薬剤耐性(AMR)対策推進月間」と設定し、取組みを推進することとしている。
 2017年度予算では、医療、動物、食品、感染予防・管理の専門職のネットワークである「感染症教育コンソーシアム」の設立を要求している。
 厚労省の橋本泰宏審議官(健康、生活衛生担当)は、日本は世界的にみて抗菌薬の使用量は多くないが、幅広い細菌に有効なセファロスポリン、キノロン、マクロライドの3系統の使用割合が高いと指摘。課題として、風邪のように細菌が原因ではない場合の抗菌薬処方が多いことを挙げた。
 毛利議長の提案により、成果をあげた自治体や団体に対する表彰の実施を検討することで合意した。

 

全日病ニュース2016年12月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] の送付について(厚生労働省医政局地域医療計画課:H27.4.1)

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2015/150407_8.pdf

    中央会議から丶 行政機関、 医療者、 及び一般国民に向けた 「薬剤耐性菌対策に ... に
    WH0は`20ー4年4月に、初めて世界の耐性菌状況をまとめた“Antimicr。biaー ... ム
    耐性率が一部の地域で 50%を超えるなど、 ポス ト抗菌薬時代が 2ー 世紀の. 現実的
    な ...

  • [2] 厚生労働省医政局地域医療計画需長

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2015/150602_5.pdf

    2015年5月29日 ... 関仁おける院内感染の発生状況、薬剤耐性菌の分離状況及び薬剤耐性菌による感染
    .... の抗菌薬感受性を継続的に収集・解析し、医療機関における主要菌種・主 ... 細菌
    検査室からの薬剤耐性菌検出者リスト提出や医師による判定基準に.

  • [3] 疑義解釈資料の送付について(その1)

    http://www.ajha.or.jp/topics/admininfo/pdf/2012/120402_1.pdf

    2012年3月30日 ... なお、この場合のカンファレンスは、各医療機関における薬剤耐性菌等の検 ... 使用量、
    感染経路別予防策の実施状況等)、抗菌薬の使用状況等の情報の共有 ..... 入院
    において初めて緩和ケア病棟入院料を算定する場合に限り、緩和ケア病棟 ..... ることと
    されている会合は、連携する全医療機関が参加して開催する必要が.

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