全日病ニュース

全日病ニュース

重症度、医療・看護必要度のDPCデータ応用は概ね了承

重症度、医療・看護必要度のDPCデータ応用は概ね了承

【日病協・代表者会議】リハビリテーション協会が正式加入し14団体に

 日本病院団体協議会は9月15日、中医協・入院医療分科会の審議状況や医師の働き方改革をめぐって議論した。
 入院医療分科会では、「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合の運用について、DPCデータを用いた分析を検討している。これについて、会見した山本修一副議長(写真左)は、「日病協としても是非、進めるべきと考えている。現在の運用は研修受講も含め現場に多大な負担となっており、今回の分析結果が次期改定に向けて現場の負担軽減につながることを期待したい」と述べた。
 しかし、「重症度、医療・看護必要度」の考え方を次回改定で変更することは、「現場の混乱を招く可能性がある」と慎重な姿勢を示し、「仮にDPCデータを活用した評価を取り入れるとしても、現行の重症度、医療・看護必要度の測定方法は残した上で、DPCデータによる評価方法を新たな選択肢として、医療機関が自ら選択できるような方向が望ましい」とした。
 山本副議長は、7対1入院基本料と10対1入院基本料の点数差が大きいことから、10対1の加算点数引き上げが提案されていることに対して、点数差を小さくすることで10対1に移行しやすくする狙いがあるとし、7対1、10対1の病棟群単位の届け出方式の見直しとあわせて注視していく必要があるとした。
 また、データ提出を義務付ける範囲を200床未満に拡大するに当たっては、特に200床未満の療養病床などでは、スタッフが少ないことから、負担軽減策の検討を求める意見があったことを紹介した。
 DPCのⅠ群、Ⅱ群における機能評価係数の重み付けについては、効率性係数とカバー率係数の見直しが課題になったが、Ⅰ群の病院にこれ以上の効率性を求めるのは限界で粗診粗療につながる可能性もあること、Ⅱ群の病院では地域における役割分担を考慮する必要があり、カバー率係数の引上げは適当ではないことから、いずれの係数も見直さない方向となったことが報告され、了承した。
 医師の働き方改革でも意見交換した。四病協が実態調査を実施する方向であり、原澤茂議長は「日病協としても同じスタンスで意見を発信する必要がある」と述べた。また、地域の救急医療や産科医療が医師の時間外労働にどの程度依存しているかを把握する必要があるとの意見があった。
 そのほか、この日の代表者会議から、日本リハビリテーション病院・施設協会(栗原正紀会長)が正式に加入し、日病協は全部で14団体となった。また、地域包括ケア病棟協会(仲井培雄会長)がオブザーバとして参加した。

 

全日病ニュース2017年10月1日号 HTML版

 

 

全日病サイト内の関連情報
  • [1] 全日病「重症度、医療・看護必要度」の見直しを要望|第851回/2015年 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20150715/news05.html

    2015年7月15日 ... 全日病「重症度、医療・看護必要度」の見直しを要望|第851回/2015年7月15日号
    HTML版。21世紀の医療を考える「全日病ニュース」は、全日本病院協会が毎月1日 ...
    日病協と四病協の改定要望書とともに提出した(1面記事を参照)。

  • [2] 7対1の移行など2016年度改定の影響を調査|第873回/2016年6月 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20160615/news09.html

    2016年6月15日 ...日病協】 新専門医制度「議論が煮詰まっていない」. 日本病院団体協議会は5月27日、
    2016年度診療報酬改定の影響を調査することを決めた。団体ごとの調査になるが、7対
    1病棟からの移行や「重症度、医療・看護必要度」の項目見直し ...

  • [3] 看護必要度の置換え可能性でシミュレーション実施|第902回/2017年 ...

    https://www.ajha.or.jp/news/pickup/20170915/news02.html

    2017年9月15日 ... 看護必要度の置換え可能性でシミュレーション実施|第902回/2017年9月15日号
    HTML版。21世紀の医療を ... 原澤茂・日病協副議長)が集計した。 ... 重症度、医療・
    看護必要度の対応 2016年度改定では、「重症度、医療・看護必要度」 ...

本コンテンツに関連するキーワードはこちら。
以下のキーワードをクリックすることで、全日病サイト内から関連する記事を検索することができます。